高エネルギーガンマ線検出のためのチェレンコフ望遠鏡のオートメーション・IT化の研究
【研究分野】素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
【研究キーワード】
カンガルー望遠鏡 / チェレンコフ望遠鏡 / 高速ネットワーク / オートメーション / IT / 砂漠地帯 / カンガルー計画 / 宇宙線 / チェレンコフ / ガンマ線 / 高エネルギー / 観測 / 自動化 / 望遠鏡
【研究成果の概要】
カンガルー計画においては現時点で南オールトラリアのウーメラにおいて計4台の大型チェレンコフ望遠鏡が稼動し始めた。各望遠鏡の口径は10mであり、同規模チェレンコフ望遠鏡はアフリカに1台、北半球に2台あり、これにより全天をカヴァーしつつある。
現場は砂漠地帯であり、電話と電気があることのほかは、水もなく、また高速ネットワーク(ADSLなど)もない。このような状況のもと観測シフトには4人の科学者を毎月派遣している。ほぼ一人が1台の望華鏡のオペレーションにかかわっている状況である。これによる支出は年間1000万円を超え、今後の運営に重大な問題を環残している。
今回の科研費によりこの人員をすこしでも削れるようにオートメーション化の一部を施した。具体的には観測所内におけるネットワークを駆使し、手動であった装置を計算機コントロールできるような変更をほどこした。また、無線設備を駆使することにより望遠鏡間(100m)の配線も最小限にした。
柏キャンパスにおいて観測コントロールプログラムの最適化を検討したが、やはり電話による日本からのコントロールには転送速度限界による無理があり、またこれを衛星回線にしても、まだ厳しいとの結果が得られた。また衛星回線による設備投資、運営費用も見積もられ、採算性に問題があることがわかった。最低ADSLなどの高速回線を15km先のウーメラ村まで開通させることが先決でありこれからオーストラリア側とも交渉していく必要がありそうである。すくなくともウーメラまで回線がくれば、そとから観測サイトまでは無線でつなげられる。
以上の研究により今後の望遠鏡運営が3人で行えるとの見通しはついた。今後の課題としてウーメラまでの高速回線をなんとかするのが最重要課題であり、これは科研費の範囲を超えているので、今後は違う形での研究を推し進めていかねばならない。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
森 正樹 | 東京大学 | 宇宙線研究所 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2002 - 2003
【配分額】3,600千円 (直接経費: 3,600千円)