マイクロサテライトが拓くスプライト及び雷放電逃走電子の科学
【研究分野】超高層物理学
【研究キーワード】
TLE / TGF / マイクロサテライト / CMOS / CCD / ガンマ線 / スプライト / 雷放電 / 地球ガンマ線 / 大学衛星 / 小型衛星 / CMOSカメラ / CCDカメラ / 小型ロケット
【研究成果の概要】
雲地上間の雷放電に伴う上空放電のひとつであるスプライトと呼ばれる現象は、1990年の最初の報告以来、精力的な研究が、観測、理論の両面から続けられている。しかし、これまでの地上観測ではスプライトを真下から見ることができないため、その水平構造については三角測量観測による数例しか調べられていない。一方、高エネルギー電子によって放射される地球ガンマ線が、雷雲活動に同期して人工衛星で観測されている。本研究では、CMOS及びCCDイメージャーとガンマ線センサーを搭載した、スプライト・地球ガンマ線観測専用のマイクロサテライトを開発、打ち上げ、それらの解明を目指す。検討の結果、本計画では、衛星を50cm立方、40kg級に変更することとした。2006年度は、以下の機器開発、校正、環境試験を実施するとともに、TLEおよびTGF観測戦略を作成するために、それらの地上および衛星観測データの解析を行い、海外研究者と議論する機会をもった。
1.搭載機器の製作・環境試験・校正
2005年度に引き続き、CMOS及びCCDを用いた超小型・軽量のイメージセンサーの製作・環境試験、及び校正を行い、ソフトウェアも含め、フライト品の製作に目途をつけた。また、米国カリフォルニア大学サンタクルズ校のスミス博士の助言に基づき、ガンマ線センサーの最終的な仕様を確定した。
2.衛星BUSの設計・開発および環境試験
BUSの最終設計を完了し、各パーツのフライト部品の仕様決定・購入を行った。必要部品を購入して構造モデルを製作し、振動試験を実施した。
3.海外研究者との打合せおよび成果発表
10月にフランスを訪れ、同様の衛星計画(打上は本計画の3年後)を持つフランスチームと会合を持ち、観測戦略についての意見交換を行った。また、12月のAGU(米国)学会に参加し、研究経過の発表(招待講演)と、海外研究者(スミス博士及びイナン教授他)と議論を行った。
【研究代表者】