強相関電子系における新しい量子液体
【研究分野】物性Ⅱ
【研究キーワード】
非フェルミ液体 / 超伝導 / スピン液体 / スピングラス / 重い電子系 / 幾何学的フラストレーション / カイラリティ / 二次元磁性 / 三角格子 / 量子臨界現象 / モット転移 / 二次元三角格子 / パイロクロア / 重い電子 / スピンアイス / 異常ホール効果
【研究成果の概要】
新しい量子液体として超伝導、非フェルミ液体、スピン液体を取り上げ、以下の研究を行ってきた。
(1)新物質β-YbA1B_4を開発し、純良単結晶の育成に成功し、この物質がYb化合物の重い電子系として初の超伝導体であり、転移点直上で明瞭な非フェルミ液体性を示すことを明らかにした。超伝導特性からスピン揺らぎによる異方的超伝導が示唆される。
(2)三角格子磁性体NiGa_2S_4については自らの物質合成と物性測定、共同研究によるNMR,μSR実験から10Kでの明確な相転移を経て低温でMHz程度の揺らぎをもつ粘性の高いスピン液体状態が形成される可能性を見出した。2K以下のスピン凍結状態で現れる比熱のT^2則が不純物スピンサイズの偶奇性に依存することを発見した。これは比熱のコヒーレントな振る舞いに対する量子揺らぎの重要性を示唆する。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2006 - 2008
【配分額】30,420千円 (直接経費: 23,400千円、間接経費: 7,020千円)