アンデス山脈形成のトリガーとしての極乾燥環境形成:宇宙線生成核種による考察
【研究分野】地質学
【研究キーワード】
アンデス山脈 / アタカマ砂漠 / 宇宙線生成核種 / 古気候 / テクトニクス / 古海洋 / 加速器質量分析 / 宇宙線
【研究成果の概要】
アタカマ砂漠の乾燥化とアンデス山脈の隆起との関係についそ調べるため、チリのアンデス山脈から採取される岩石について宇宙線照射生成核種(CRN)をもちいた乾燥化の年代決定を行う実験法の確立を目指すことがこの研究の目的である。今年度は、これまでに本研究で遂行してきた実験結果をもとに地理情報システム(GIS)をつかって地形解析を行い、東京大学COE予算を用いてチリへ渡航し、経度と高度のことなる地点でのサンプリングを行った。代表者の横山と分担者の松崎、そして大学院生の城谷が参加し、研究協力者にあらたにAndres Veloso博士をくわえ、アントファガスタのVeloso博士の大学に拠点をおきながらのサンプリングを実施した。10月に行ったサンプリングの結果、採取したサンプルは合計300kgを超え、東部のカラマ周辺のサンプルについて10Beと26Alを用いた年代測定を行った。その結果、これまで考えられていた現地の岩石の照射年代よりもきわめて若い年代が得られた。アタカマ砂漠においては第四紀前期にはすでに極乾燥状態に入っていたというと考えられてきた。今回得られた結果は、これまで別の方法で決定された年代よりもオーダーで若いものであり、世界的にきわめて乾燥していると考えられている当地域の岩石についても、詳細な宇宙線生成核種による分析を行う必要があることを示唆しており、「地形学を含んだ地球表層プロセス研究において重要な知見となった。この結果は現在投稿準備中である。
【研究代表者】