低エネルギー陽子を用いた重イオン・プラズマ相互作用におけるクーロン対数の測定
【研究分野】核融合学
【研究キーワード】
慣性核融合 / プラズマ / 阻止能 / クーロン対数 / 陽子ビーム / 重イオンビーム / 加速器 / レーザーイオン源 / イオンビーム / 核融合 / レーザー / 有効電荷 / 飛行時間法 / 高温プラズマ / イオン源 / 有功電荷
【研究成果の概要】
重イオンビーム・プラズマ相互作用におけるクーロン対数の測定のために,高強度陽子ビーム発生用レーザープラズマイオン源,及び低エネルギーパルス陽子ビーム加速装置の設計・製作を進め,実験に必要なμA級のビームを得た.またビーム集束用静電型四重極レンズを設計・製作し,集束力を確認した.専用ビームラインを建設し,既存のビームラインに損失なく合流させることに成功した.飛行時間法による陽子のエネルギー損失測定のために,空洞共振器を用いたビームパルス化装置を製作し,標的位置において陽子ビームを時間幅で1ns以下にパルス化することに成功した.予備実験として,炭素薄膜中の120keV陽子の阻止能測定を行い,他の文献の値と良く一致する結果を得た.次にレーザー生成プラズマ標的とビームの相互作用実験を試みたが,シングルショットのパルスビームであるためにビーム位置モニターの感度が不足し,プラズマ標的の中心にビームを通過させることが困難であった.この理由により,予定していたクーロン対数,すなわち低エネルギー陽子ビームの阻止能測定には至らなかった.以上の低エネルギー陽子加速器を用いた実験と並行して,プラズマ中のクーロン対数に関する情報を得るため,電荷状態の異なる高エネルギー重イオンビームの阻止能測定を行った.またHe^<2+>イオンビームを用いて,zピンチ放電プラズマとの相互作用実験を行い,エネルギー損失の測定結果からクーロン対数の評価に成功した.さらにクーロン対数を数値計算により評価するための粒子コード開発を行い,高密度・低温プラズマ中で高荷電数イオンの阻止能に非線形性が現れることが確認できた.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
長谷川 純 | 東京工業大学 | 原子炉工学研究所 | 助手 | (Kakenデータベース) |
小川 雅生 | 東京工業大学 | 原子炉工学研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2001 - 2003
【配分額】14,900千円 (直接経費: 14,900千円)