ドローンを活用した噴火時に有用な火山ガス組成観測システムの開発
【研究キーワード】
火山ガス / ドローン / Multi-GAS / 噴火 / UAV / 火山ガス組成 / 火山 / 無人航空機
【研究成果の概要】
火山活動推移の予測・評価のためには,噴火事象の進展を定量的に解釈する必要がある。近年の火山ガス組成観測から,深部マグマ溜まりからの火山ガス供給の増加が,噴火発生の要因であるという仮説が提唱されている。しかし,噴火時の測定には危険がともなうため,実際の測定例は非常に限られている。そこで本研究では,噴火時にも火口近傍に接近できるドローン搭載型の観測システムを開発し,噴火時に放出される火山ガス組成を観測することにより,噴火発生の要因となった火山ガスの起源を明らかにすることを目標とする。
本年度は,昨年度製作したドローン搭載用Multi-GASの試験機を改良した。使用するマイコンボードをArduino Unoに変更し,通信ボードも変更した。この改良版試作機を用いた試験観測を,京都大学火山研究センターの協力を得て,2022年1月に阿蘇山の中岳火口で実施した。しかし,現地でマイコンボードにトラブルが発生した。現在原因を調査中であるが,制御のマイコンボードに接続不良があること,制御プログラムにミスがあったことが原因として考えられる。コロナ禍で出張がままならず,試験観測が十分に行えなかった。来年度は上記トラブルを解決し,阿蘇山での試験観測を行い,装置を完成させる。また,他の資金による観測が箱根山や霧島硫黄山で実施できる可能性があるので,それらの機会に観測を実施し,本研究で製作した装置のテストを行う。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)