隕石中の難揮発性包有物の形成速度論に基づく太陽系最初期の物理化学環境解析
【研究分野】地球宇宙化学
【研究キーワード】
地球化学 / 宇宙化学 / 隕石 / 太陽系 / 原始惑星系 / 宇宙科学
【研究成果の概要】
太陽系形成最初期の高温プロセスは星形成領域の天文観測でも観測されておらず、その物理化学環境は不明である。本研究では、難揮発性包有物の同位体岩石学・鉱物学的研究に室内合成実験を組み合わせ、この高温プロセスの物理化学環境を定量的に制約した。その結果、難揮発性包有物は圧力1E-4 bar、 温度1400Kの原始惑星系円盤領域で起こる数週間続く高温プロセス(最高温度2000K)により形成されていたことが新規に判明した。
【研究の社会的意義】
本研究は、太陽系最古の物質(難揮発性包有物)中の原子の移動速度の物質固有基礎定数を実験室内の合成実験で求め、それを隕石物質中に凍結された元素と同位体の分布と照合することにより、その形成過程を定量的に解析した世界で最初の研究である。何も仮定をせずに、事実に基づき原始惑星系円盤の圧力を定量化し、他に見られない特異な高温プロセスを導いた。次の展望は、事実からこの特異高温プロセスを起こす天体現象を特定することである。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
橘 省吾 | 東京大学 | 大学院理学系研究科(理学部) | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2016-05-31 - 2021-03-31
【配分額】182,910千円 (直接経費: 140,700千円、間接経費: 42,210千円)