琵琶湖深部湖底湧水の地下構造との関係解明および湖底環境への影響評価
【研究キーワード】
琵琶湖 / 湖底湧水 / 地下構造 / 湖底環境 / 熱流量測定 / 温度勾配 / 変色域 / ガス / ROV
【研究成果の概要】
琵琶湖の北西部で湖底熱調査を行った。測定には,長さ3mの棒状のプローブに15~20 cm程度の間隔で12~14個の温度センサーを配したものを使用し,これを堆積物に突き刺すことにより湖底面からの深さ1~3 mにおける温度分布を求めた。琵琶湖北西部の最深部付近で特に地形が急変している場所(北緯35度20.22分, 136度6.09分,水深90m,以降Y1)において,他の場所の琵琶湖の湖底に比べて高い温度勾配を示す点を複数検出した。
2020年度予算の間接経費で購入し,滋賀県立大学の実習調査船「はっさかⅡ(にせい)」に装備したマルチビームソナーを用い,琵琶湖北西部で試験的に水中音波探査を行った。この装置は,船直下から左右60度の範囲を測定することができるので,水深が100mの水平な湖底があるとすれば,直下から左右に最大100√3m≒170m,幅として最大340mの湖底の探査ができることになる。しかし,実際に運用した感じでは,信頼できる信号が取得出来る範囲は,その3割程度(上記条件なら左右50m(幅100m)程度)であった。得られた信号は,リアルタイムでモニターに出力される。水中音波探査の結果,Y1付近で湖底からのガス噴出に伴うと思われる音響異常を検出した。
琵琶湖北西部のY1付近の湖底をROV(遠隔操作型無人潜水機)に取り付けられたカメラで撮影し,湖底の白い変色域を複数検出し,その一部からガスが出ていることを確認した。
【研究代表者】