氷室地球と温室地球の海洋環境に対する軟体動物の生活史形質の応答様式の精密解析
【研究分野】層位・古生物学
【研究キーワード】
古生態 / 軟体動物 / 生活史形質 / 生物地球化学 / 海洋環境変動 / 微細成長縞 / 白亜紀 / 成長縞編年学 / 生活史
【研究成果の概要】
氷室時代の現世と温室時代の白亜紀の軟体動物(貝類)を対象として、貝殻の成長縞解析と地球化学的分析を行い、海洋環境に対する生活史形質の応答様式を解析した。その結果、北西太平洋の貝類の個体としての寿命が100年以上と長く、全球規模での海洋環境変動の記録を貝殻に保存していることが明らかになった。また、保存のよい浮遊性有孔虫、底生有孔虫、貝類化石の酸素同位体比分析から、白亜紀後期の北米内陸海や北西大西洋の陸棚は温室期の白亜紀中期に比べてやや寒冷化し、低層水温には季節変動があったことが示唆された。また、これら海域の貝類は現世の温暖な海域の貝類と似た生活史形質を持っていたことがわかった。
【研究代表者】