自己埋設方式広帯域海底地震計の開発による海域地震研究の新展開
【研究分野】固体地球物理学
【研究キーワード】
海底地震観測 / 広帯域 / 広帯域センサー / 自由落下 / 自己浮上 / 海底地震計 / ノイズ / 埋設センサー / 低層流 / 埋設センター / 広帯域地震観測 / 広帯域観測 / 地震観測 / 海底観測 / 機動観測 / 埋設 / 海底地震 / 開発 / 海域地震 / 自己浮上式 / 埋設方式 / 広帯域海底地震計
【研究成果の概要】
自由落下・自己浮上の広帯域海底地震計は、海半球ネットワーク計画(1996-2001)において開発が進められ、最初の観測が1999年に実施されて以降、装置の高度化をすすめながら、2003年から本格的な長期アレイ観測が実施されてきた。このように、これまでに十分な実績をもつ自由落下・自己浮上方式による機動的な広帯域海底地震観測は、海底孔内地震観測ほどには雑音レベルが低くはない。上下動成分に関しては陸域広帯域地震観測の高雑音モデルと低雑音モデルの中間のレベルを達成しているが、水平動成分に関しては上下動成分に比べて20dBほど雑音レベルが高くまた時間変動が大きいことが指摘されていた。このような雑音特性を持つ要因に関しては、底層流の影響で観測雑音レベルが高くなっている可能性が早くから指摘されていた。本研究の目的は、底層流の影響を遮断するとともにセンサーのカップリング特性を向上させるための方策として、自己埋設方式広帯域センサーを開発することである。当初の計画では、センサー3成分を一体物として自己埋設する方式の開発をすすめていたが、自由落下・自己浮上の広帯域海底地震計の着底時の姿勢データおよび長期観測における姿勢変化に関する蓄積した情報から、自己埋設方式広帯域センサーの新たな着想を得た。3成分分離型センサーを自己埋設する方式である。本研究で開発したこの新たな着想による広帯域センサーにより、高品位で高密度・多点の広帯域海底地震観測の道が開いた。性能評価は、観測データの蓄積を待つ必要があるが、試験観測では良好な性能を示した。
【研究代表者】