超高温・高圧条件における地球深部物質の体積熱容量計測技術の開発
【研究キーワード】
比熱測定 / マントル / 高温 / 高圧 / 体積熱容量 / 熱伝導率 / コア / 比熱容量 / 超高圧 / 超高温 / 地球深部
【研究成果の概要】
地球核およびマントル物質の体積熱容量を温度軸と圧力軸の両面から依存性を明らかにすることを目的に、高温・高圧条件における体積熱容量の計測技術の開発と、地球深部物質の熱物性計測を進めた。高温加熱用レーザの1台の修理が完了し、従来よりもさらに高温環境の実現が可能となった。マントル鉱物の熱伝導率の評価として、MgOペリクレース相の評価を行い、12 GPaにおいて最高3169 Kにおける計測に成功した。また最高圧力140 GPaにおいては約2000 Kでの熱伝導率を計測した。この結果からMgOペリクレースの熱伝導率の密度および温度微分係数を決定しそれぞれ4.4および-0.62の結果を得た。また高温高圧熱伝導率計測において、レーザ吸収体や圧力計測用に用いられるPtの高温高圧熱伝導率についても評価を行い、κ(W/m/K)= 0.953P/GPa+0.0137T/K+61.8 <~1850 K, 125 GPa>の関係式を得た。通常の固体物質は温度増加によりフォノン散乱が増加することから熱伝導率は負の温度依存性を持つが、Ptの熱伝導率は、常温で正の温度依存性を有することが知られている。今回の結果により、高圧ではこの正の温度依存性がより顕著になることが初めて明らかとなった。またピコ秒レーザ弾性波測定による水素化鉄の100 GPaまでの音速計測結果から地球内核条件(360 GPa、5500 K)における弾性波の予想値を算出できた。体積熱容量計測についても開発を進め、基礎的な測定条件におけるデータ解析を進めた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
太田 健二 | 東京工業大学 | 理学院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)