地球磁場変動モデルの実験及び数値シミュレーションによる検証
【研究分野】固体地球惑星物理学
【研究キーワード】
地球磁場 / 磁場変動 / ダイナモ作用 / 古地磁気学 / 熱対流実験 / 金属ガリウム / 数値シミュレーション / 堆積物コア / 地球磁場変動 / 室内実験 / 熱対流運動 / 超音波流速測定法 / コア / 古地磁気
【研究成果の概要】
本研究は、地球磁場変動の観測・調査、室内実験と数値シミュレーションによって、磁場変動モデルを検証することを目的とする。
1.磁場変動観測では、伊豆大島、富士山の歴史溶岩、中海、エジプトカルーン湖の堆積物コア等の試料の古地磁気測定を行い、過去数千年間の磁場変動の様相を明らかにした。また、これらの最近の磁場変動と比較するために、イタリーのGubbioで白亜紀中期の石灰岩の採集を行ない、現在測定中である。磁場変動解析では磁場変動記録を解析することによって、100万年から数年の広い周期範囲について、軸双極子の変動の時間スペクトルを求めることが出来た。さらに、この時間スペクトルをダイナモシミュレーションと比較することにより、コア内の乱流スペクトルと関係していることを見いだした。2.室内実験では、金属ガリウムを用いた下部加熱・内部加熱の熱対流実験を行い、熱対流の流速場を超音波によって計測することに加え、温度の連続測定を行なった。その結果、レイリー数は臨界値の数百倍から千倍程度で乱流状態にあるが、それが組織化されてできたと考えられる2次元ロール状の構造が観察され、その平均構造が周期的に揺らぐことも見いだした。この揺らぎの周期は温度測定からスペクトル解析により求められた。3.数値シミュレーションでは、球関数スペクトル変換法による計算コードを地球シミュレータ上で稼働させ、高解像度(水平方向球関数展開次数256次、動径方向チェビシェフ展開128次)で低粘性(エクマン数:2x10^<-6>)のダイナモシミュレーションを行った。安定な自励ダイナモが実現することを確かめた後、定常状態に達してから長時間の積分をおこなうことによって、コア外の磁場の時間変動を計算し、その時系列から時間スペクトルを求め、実際の磁場変動の時間スペクトルと比較することによって、コア内の乱流状態に関する情報を得た。
【研究代表者】