高圧実験と地球化学の複合アプローチから地球深部酸化還元状態進化を探る
【研究キーワード】
地球・惑星内部構造 / 地殻・マントル物質 / 固体地球物理学 / 地球化学 / 高温高圧 / 地球内部 / マントル / 酸化還元状態 / 高温高圧実験 / ダイヤモンドアンビルセル / 融解 / ダイヤモンド
【研究成果の概要】
昨年度までに立ち上げた高温高圧力下その場測定を行うための分析装置と、それに適合した高温高圧実験装置を用いて、マントル物質の酸化還元状態を理解するための実験的研究を推進した。当該年度に得られた研究業績として、ダイヤモンドアンビルセルを用いて、マントル深部に存在する可能性のある高圧酸化鉄相の電気伝導度を高圧力下その場測定した結果を、国際学術論文として発表できた。未だ測定されたことのない領域での測定に成功することができた。得られた結果から、地球深部における酸化還元状態異常が、高電気伝導度異常領域として観測される可能性があることを明らかにした。また、高圧酸化鉄相の磁化率、比熱、電気伝導度を従来よりも広い温度領域で測定することにも成功し、その結果は現在投稿準備中である。その他、当該年度に発表できた成果としては、地球核の軽元素を実験的に制約する技術的な手法に関する総説記事をアメリカ地球物理学会(AGU)発行の書籍に投稿し、その後受理された。また、大型放射光施設SPring-8においてビームライン担当研究者と共同研究を推進し、高速X線回折測定と、瞬間レーザー加熱を組み合わせた新しいシステムを用いた実験に成功した。これまでになく精密に短時間加熱を制御できるようになったことで、超高圧力下においても反応速度論に基づく物質反応プロセスに関する研究が推進できる環境が整った。新しい実験手法の枠組みが整ったことで、実験を容易に繰り返すことができるようになり、地球惑星内部や小天体衝突時における反応プロセスの更なる理解につながると期待される。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
飯塚 毅 | 東京大学 | 大学院理学系研究科(理学部) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)