全方位ミュオグラフィによる火山内部の3次元密度構造イメージング:観測と実証
【研究キーワード】
火山 / ミューオン / 宇宙線 / イメージング / 密度構造 / 透視 / ミュオグラフィ / 大室山 / 原子核乾板 / ラジオグラフィー
【研究成果の概要】
多方向からのミュオグラフィ観測の有効性を実証するために,静岡県伊東市に位置する大室山に2019年12月に8点,原子核乾板検出器を設置することが出来た。設置した乾板検出器は2020年3月に回収した。
今後,6月頃までに現像処理を行い,その後膨潤作業の後に自動飛跡読み取り装置HTSを用いて乾板内のミューオンの飛跡画像をデジタルデータ化する。観測時に入射したミューオンの飛跡を再構成し,密度画像に換算する予定である。
上記とは別に,2019年冬に大室山に8カ所設置した予備的な観測について,結果がまとめられつつある。2019年春に乾板検出器を回収した後,現像,膨潤を行い,自動飛跡読み取り装置HTSを用いて乾板内のミューオンの飛跡画像をデジタルデータ化し,観測時のミューオン飛跡をNETSCAN 2.0フレームワークを用いて再構成した。検出器内部における多重クーロン散乱を検出し,1GeV以下の運動エネルギーの粒子を取り除き,ミューオン検出効率を見積もることで,ミューオンの減衰率が測定され,8箇所各々の観測点で2次元の密度マップが導出された。
Nishiyama et al.(2014)の研究などに代表されるインバージョン手法を改良し,三次元密度イメージが再構成された。このイメージに対して現在どのような誤差が伴うか,見積もりが行われている。また,古谷野ら(1996)の大室山に関する地質学的な先行研究と比べて,新たにどのような火山学的解釈が可能か,議論している最中である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
森島 邦博 | 名古屋大学 | 理学研究科 | 特任助教 | (Kakenデータベース) |
中野 敏行 | 名古屋大学 | 理学研究科 | 講師 | (Kakenデータベース) |
小山 眞人 | 静岡大学 | 未来社会デザイン機構(企画推進本部) | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)