日本海の深層循環のラグランジュ測流による研究
【研究分野】気象・海洋物理・陸水学
【研究キーワード】
日本海固有水 / 放射性廃棄物 / 中層循環 / ラグランジュ測流 / アリスフロート / アルゴシステム / 漂流速度 / 潮汐流 / アルゴスシステム / 日本海 / 深層循環 / ポップアップフロート / 自動浮上沈降 / 潮流 / 日本海の深層循環 / 中立フロート / 人工衛星による追跡 / 放射性廃棄物海洋投棄 / ソ-ファーフロート
【研究成果の概要】
日本海の100メートル以深には水温1℃の均質な日本海固有水が分布し、冬季にシベリア沖で形成されるがその輸送と流動の過程は不明であった。旧ソ連による放射性廃棄物の投棄などにより、日本海の中層循環の解明が急がれている。中深層循環は海底地形の影響を受けるので多数点の直接測流が必要であるが、海水とともに漂流する中立フロートの追跡が有効である。本研究では日本海の300メートル層を10日間と20日間漂流して1日だけ浮上して人工衛星で位置決めをするアリスフロートを2台投入して、1995年8月から運用した。北緯41度43分、東経136度18分に投入したフロートは直径100kmの反時計回りの循環を示し、1996年12月までに北東に約300km移動した。北緯40度54分、東経132度24分に投入したフロートは同じ期間に直径300kmで一周し、南西に100km移動した。10日間、そして20日間の平均漂流速度は約5cm毎秒であった。シベリア沖から北海道西岸へは1年以内に到達するが、山陰沖では大和堆が境界になってその南には到達しにくいことが示された。一方、位置決めのために浮上している間にアルゴスシステムで10回程度の位置が得られ、1m毎秒に及ぶ表層流を評価することができた。潮汐流が卓越しているようである。300メートル層から海面まで60回以上往復しており、温度計や塩分計を付加することで無人の観測ステーションとして有用であることが示された。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
柳本 大吾 | 東京大学 | 海洋研究所 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1994 - 1996
【配分額】7,300千円 (直接経費: 7,300千円)