Projecting discharge from the Greenland ice sheet using climatic forcings derived from atmosphere-ocean models
【研究分野】気象・海洋物理・陸水学
【研究キーワード】
氷床 / 力学 / 気候変動 / 数値モデル / グリーンランド
【研究成果の概要】
本研究では氷床数値モデルSICOPOLISに複数の大気大循環モデルに基づく大気・海洋強制を適用し、グリーンランド氷床の将来変動を解析した。その結果、2015~2100年の海水準上昇寄与は、温暖効果ガスが継続的に排出されるとしたRCP8.5/SSP5-8.5シナリオでは133.0 ± 40.7 mm 、排出抑制を仮定したRCP2.6/SSP1-2.6シナリオでは48.6 ± 6.2 mm であることが示された。さらに、新しいグリーンランド地殻熱流量マップを作成し、巨大な底面渓谷地形が氷底水流に与える影響の解明、ボードイン氷河とNEEM掘削サイトにおける局所的な流動状態の解析を行った。
【研究の社会的意義】
地球上に存在する淡水の大部分は、グリーンランドと南極の氷床に氷として蓄積されており、その総量は海水準に換算して約65 mとなる。現在進行する人為起源の地球温暖化を背景として、氷床の変動とその動力学は、人類社会に直結した重要な研究課題である。本研究の成果は、国連のIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)が取り組む次期IPCCレポート(AR6)に提供され、地球環境の変動予測の精緻化に貢献するものである。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
杉山 慎 | 北海道大学 | 低温科学研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
阿部 彩子 | 東京大学 | 大気海洋研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2016-04-01 - 2020-03-31
【配分額】29,770千円 (直接経費: 22,900千円、間接経費: 6,870千円)