発展途上国における大規模な難民流入による在地社会と森林資源に対する影響の研究
【研究キーワード】
ロヒンギャ難民 / 森林減少 / ホスト社会 / テクナフ半島 / バングラデシュ
【研究成果の概要】
この研究事業は、長期的な森林減少が問題化し、昨年来の急激なロヒンギャ難民の流入がさらに森林資源を圧迫しているバングラデシュ・テクナフ半島を対象として、その難民の流入による在地社会およびその森林環境に対する影響を明らかにすることを目的としている。事業2年目にあたる2020年度は住民調査、森林ストックの把握と衛星データによる森林量の推移、難民支援にあたっている外部機関の把握を行った。
住民に関する調査としては、昨年度に引き続き、住民の社会経済的属性を把握するために、全世帯の10% を対象にベースライン世帯調査を行った。テクナフ郡の調査は2019年度にほぼ完了し、2020年度はテクナフ郡で未調査の地区、およびウキア郡全域のベースライン調査を完了した。LPGを全世帯に配給するなどの国際機関による難民対応により森林への負荷の変化を確かめるため、世帯調査と合わせてLPGの利用頻度等に関する調査も行った。
森林の状態については、過去から現在に至る変化を衛星画像データを使って解析した。森林ストック量の同定のため、調査プロットを設置した毎木計測調査、3Dレーザースキャナーによる点群測量を実施した。通常の森林に対する調査と並行して、バイオマス燃料の供給源としての屋敷林の役割を評価するため、集落内の屋敷林調査もレーザースキャナーにより体系的に実施した。
難民、住民と並んで重要なアクターである外部援助組織についても傘下組織などのリスト、活動内容の資料を取得した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
森山 雅雄 | 長崎大学 | 工学研究科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
朝廣 和夫 | 九州大学 | 芸術工学研究院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
坂本 麻衣子 | 東京大学 | 大学院新領域創成科学研究科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】45,500千円 (直接経費: 35,000千円、間接経費: 10,500千円)