大陸下マントルにおけるPGE含有量不均質性の検討:小さな硫化鉱物からのアプローチ
【研究分野】岩石・鉱物・鉱床学
【研究キーワード】
マントル / 硫化鉱物 / 白金族元素 / 交代作用 / かんらん岩 / カンラン岩 / 白金族元素組成 / オスミウム同位体組成 / FIB / TEM-EDS / マントル捕獲岩 / 炭素 / sub-micrometerスケール / PGE / 大陸下マントル / 白金族鉱物 / 微小解析
【研究成果の概要】
本研究では,初期マントル中の白金族元素(PGE)含有量を正確に推定することを目指した.その達成のためには二次的なマグマやフルイドによる影響を取り除くことが必要不可欠であったため,それを重点的に実施した.具体的には,マントル由来物質であるかんらん岩を用いてPGE含有量を求め,ナノからマイクロメートルスケールで詳細な解析を実施した.その結果,炭素質マグマがPGE含有量を二次的に改変することを明確に示すことができた.また,その改変によりPGEがどのような鉱物に分配されていくのか明らかにした.これにより,炭素質マグマの影響のないかんらん岩を初期マントルのPGE推定に用いる必要があることを明確に示した.
【研究の社会的意義】
マントルの白金族元素(PGE)含有量推定は,地球の形成過程を論じる上で重要である.特に,地球形成以降二次的な改変を受けていない”汚れない”初期マントルのPGE組成推定は地球形成初期の現象理解に特に重要である.本研究では,その推定を行うため最も重要である二次的な改変の実態を解明した.本研究結果を考慮すると,炭素質マグマによる影響が確認されるサンプルを推定から外すべきだということを明確に示すことができた.
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)