レーザー励起法を用いたディスアラインメント断面積の決定とその理論的解析
【研究分野】物理学一般
【研究キーワード】
ディスアラインメント / 低エネルギ原子衝突 / ネオン原子 / レーザー
【研究成果の概要】
アルゴン・イオンレーザー励起リング色素レーザーの共振器中にエタロン板を挿入することによってレーザー発振を縦単一モードとし、そのエタロン板を回転することにより、リングレーザーの固有発振周波数をひとつづつ掃引した。放電プラズマ中準安定状態原子をそのレーザー光によって励起し、発振周波数の関数としての蛍光強度を観測した。その結果、室温、液体窒素温度のどちらの温度の場合も、準安定原子、従ってパルスレーザー光によってそこから励起される励起原子、は放電管壁の温度で決まるマックスウェル分布を持つことを確認した。また、この種の実験で、従来気付かれていなかったオプティカルパンピングの効果の存在にに気付き、それを正しく考慮することによって従来いわれていた同位体比の異常(少数同位体の濃縮)が解決できる糸口を得た。
上と同じ放電プラズマをYAGレーザー励起パルスレーザーからの直線偏光した光で励起してアラインメントを持った励起原子を作り、そこからの蛍光を偏光成分に分けて時間分解観測して、原子衝突によるアラインメントの緩和(ディスアラインメント)のレートを求めた。放電プラズマの原子密度、温度を変化させて測定し、原子衝突によるディスアラインメント断面積を10から100meVの範囲で推定した。
一般化モデルポテンシャル法によって衝突対の準分子ポテンシャルを計算し、それにもとづいTディスアラインメント断面積を計算した。理論ポテンシャルのΩ=0と1状態に対するものの差を3cm^<-1>だけ増加する、ないしはふたつのポテンシャルを40cm^<-1>だけ減少させると理論断面積は実験値に一致した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
薮下 聡 | 慶應義塾大学 | 理工学部 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】一般研究(B)
【研究期間】1995
【配分額】7,200千円 (直接経費: 7,200千円)