強相関ディラック-ワイルフェルミオン系の強磁場NMR研究
【研究キーワード】
核磁気共鳴 / ディラック電子系 / ワイル電子系 / ディラック-ワイルフェルミオン系 / 強磁場 / ディラック-ワイルフェルミオン
【研究成果の概要】
研究2年目にあたり、有機ディラック・ワイル電子系での磁場中物性をNMR測定を中心に行った。国内では計画に従い主に定常磁場下での実験を行った。
単一成分分子性導体M(dmdt)2塩はノーダルディラックラインの存在が理論的に指摘されている。前年度M=Ni塩の測定を開始したが、本年度はこれに加えて同様にノーダルディラックラインをもつM=Pt塩の測定を開始した。粉末試料を用いた13C NMRの結果は、両塩とも、スピン格子緩和率とスピンシフトの高温側での振る舞いはディラックコーンで期待されるものと概ね矛盾しない。一方、低温でスピン格子緩和率の温度依存性にピークが見られた。そこで、このピークの振る舞いの起源を探るため、磁場依存性をみるべくM=Niを中心に様々な定常磁場下での測定を行った。その結果、スピン格子緩和率の絶対値は磁場依存性は見られるものの、ピークを取る温度はそれほど磁場依存していないことが分かった。低温ではM=Ni塩の緩和率よりもPt塩の方が大きいが、特定の温度でPt塩でもピークを持つ。
新型コロナウィルスの流行が世界的に続き、加えて流行の時期が国内の県単位だけではなく、世界的にも異なっていた。パルス強磁場下NMR測定は海外(ドイツ)で計画していたが、このような事情により実験実施は困難な状況であった。そこで、国内の実験施設(東京大学 物性研)においてパルス磁場を用いた強磁場下での(NMR測定以外の)物性研究にも取組むことにより、強磁場での測定ポイントを掴むように努めた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
須波 圭史 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 学術専門職員 | (Kakenデータベース) |
浦井 瑞紀 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 学術専門職員 | (Kakenデータベース) |
鹿野田 一司 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
【研究期間】2020-10-27 - 2023-03-31
【配分額】18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)