ミューオンg-2/EDM精密測定のための検出器アライメントモニターの開発
【研究キーワード】
ミューオン異常磁気能率 / 電気双極子能率 / 光周波数コム / 絶対測長干渉計 / アライメント / FSR / エタロン / ボールレンズ / 三次元座標導出 / 自由スペクトル領域 / パルス間隔 / 圧縮 / 校正 / シミュレーション
【研究成果の概要】
J-PARCにおけるg-2/EDM精密測定実験に用いられる陽電子飛跡検出器用高精度アライメントモニターの実現を目指して,その基盤技術となる1.絶対測長干渉計の開発,2.ボールレンズ光学系の開発,3.三次元座標導出の3つの課題に取り組む.
絶対測長干渉計の開発に関しては,その測長基準となるエタロンの自由スペクトル領域,FSRの不確かさppm~サブppmレベルでの評価を目指して,従来の長さ基準を用いた校正法に加えて,周波数基準を用いた校正法を検討した.エタロンを通過した光周波数コムのパルス繰返し周波数を,周波数カウンタにて直接測定する方法では,ノイズの影響を受け望まれるような結果が得られなかったが,エタロンに入力する光周波数コムのパルス繰返し周波数を走査しながら得られる畳み込み信号ピークを読み取る方法を考案し,それを用いることでppmレベルの校正が実現できた.さらに当該方法を用いることで,エタロンのFSRには,10数ppm/℃の温度特性があり,それをppmレベルで安定化させるには,エタロン温度を0.1℃単位で制御する必要があることが示された.
ボールレンズ光学系の開発では,ボールレンズをコリメータ,および,リフレクタとした絶対測長干渉計が動作することを実証した.さらに,測定対象となる検出器が動作する強磁場環境下への適用を考慮して,非磁性材料であるアルミ合金,および,エンジニアリングセラミクスを用いた小型(10 mmφ,長さ20 mm)光学モジュールを試作して,専用コリメータによるものと比較してそん色のない品質のコリメートビームが得られることを示した.
三次元座標導出については,12ノード24測長路の基本測長網と,その発展形となる20ノード48測長路の測長網を考案した.また,システムの自動化に際して,LabVIEWベースの走査鏡位置取得,干渉信号パルス間隔導出プログラムを作成した.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
道畑 正岐 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
三部 勉 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 | 素粒子原子核研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
高増 潔 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)