ラシュバ系における量子スピン輸送現象
【研究分野】物性Ⅰ
【研究キーワード】
非相反電荷輸送現象 / 空間反転対称性の破れ / スピン軌道相互作用 / 極性 / ラシュバ系 / カイラリティー / スピントロニクス / スピン流
【研究成果の概要】
ラシュバ型バンド構造を持つ極性半導体BiTeBrにおいて、結晶の空間反転対称性の破れに起因する電流の非相反性を検出することに成功した。観測された非相反電荷輸送現象は極性構造に特有の磁場・電流方位選択則を見たし、シグナルのキャリア数依存性や温度依存性から微視的機構を明らかにした。
また、非相反電荷輸送現象をカイラリティーを持つ物質に拡張し、特にWS2カイラルナノチューブの電界誘起超伝導相において巨大な超伝導電流の非相反伝導効果が生じることを発見した。結晶カイラリティーの超伝導への影響を初めて実証すると同時に、非相反超伝導現象が特徴的な形状による量子干渉効果の影響を受けることも見出した。
【研究代表者】
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2015-08-28 - 2017-03-31
【配分額】2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)