物質の質量の起源に迫るドイツ重イオン研究所との国際共同研究
【研究キーワード】
ハドロン / η′ / 軸性U(1)対称性 / カイラル対称性 / 分光 / イータプライム中間子 / 物質質量の起源 / 中間子 / 原子核 / 真空の構造 / 強い相互作用 / 質量の起源
【研究成果の概要】
ドイツ重イオン研究所(GSI)にて本研究の主要な目的であるS490実験を2022/2月に実施した。研究代表者は実験代表者として現地において全体を統括した。研究分担者と研究協力者は現地に長期滞在して、現地研究者と共同して大型検出器の開発、設置、運用を行った。準備段階では、本科研費によりCsIカロリーメータの読み出し系であるFEBEX3システムを準備し、読み出し、解析・モニターソフトウエアの開発を行った。2021/春から冬にかけて、検出器、支持構造、ソレノイド、ヘリウムガス回収配管、回路等の実験現場へのインストールと調整を行った。
2021/11月から、磁場 1 T 環境でのストローチューブ検出器、プラスチックシンチレータバレル検出器、CsI カロリーメータ、ファイバー検出器等からなる、検出器システム、読み出しシステム、解析モニターシステムの総合的なデバッグ、性能評価、調整を行い良好な結果をえた。2022/1月には、実際に高強度陽子ビームを用いた検出器コミッショニングを実施し、検出器のパラメータ設定、読み出し、解析・モニターソフトウエア等の準備を完了した。
2022/2 月、約一週間、陽子ビームを用い 12C(p,dp) 反応による準排他的測定による本実験を行った。加速器やソレノイド冷却系の問題、ヘリウムガスの入手困難などの問題があったものの、検出器群は概ね順調に動作し、最終的にプロポーザルの見積もりに対して 106% の統計量という、高品質・高統計のデータ取得に成功した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
藤岡 宏之 | 東京工業大学 | 理学院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
田中 良樹 | 国立研究開発法人理化学研究所 | 開拓研究本部 | 研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
【研究期間】2020-10-27 - 2025-03-31
【配分額】18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)