気球による超新星SN1987a残骸からの低エネルギ-・ガンマ線の観測
【研究分野】核・宇宙線・素粒子
【研究キーワード】
ガンマ線天文学 / 井戸型ホスウイッチカウンタ- / 硬X線検出器 / 気球実験 / 超新星1987A / 銀河中心 / ガンマ線検出器 / フォトダイオ-ド / 超新星 / 天体ガンマ線 / フォトダイオード
【研究成果の概要】
昨年度にひき続き、天体ガンマ線検出器の開発、改良ならびに観測実験を行った。検出器は、新開発のシンチレ-タGSO(Ce)結晶を主検出部に、CsI結晶を遮蔽部に用いた井戸型ホスウイッチカウンタ-であることを特徴とする。ホスウイッチカウンタ-では、結晶中の螢光減衰時間の違いを利用して、主検出部からの信号を取りだす。このためにパルス波型弁別回路を開発改良を進めた。またデ-タ収集のために開発してきたVMEにもとづく計算機システムの改良を行った。
本研究で開発した検出器を用いて、超新星SN1987Aからの ^<57>Co崩壊による122KeVのラインガンマ線の観測実験を行った。検出器は正常に動作し、我々の開発した井戸型ホスウイッチカウンタ-は、開発目標通りの低バックグランド環境を実現していることが示された。また昨年度不調であったデ-タ収集のためのシステムも予定通りの動作を行い、改良の成果が確認された。
この実験の結果、我々の開発した天体ガンマ線検出器は、40〜800KeVのエネルギ-領域での連続ガンマ線に対し、10^4秒の観測によって〜3×10^<-6>photons/cm^2/sec/KeVの感度をもつことが示された。これは從来の検出器にくらべ5倍以上の高感度である。またラインガンマ線に対しては10^4秒の観測によって〜1×10^<-4>photon/cm^2/secの感度をもつ。このように井戸型ホスウイッチカウンタ-を用いた、天体ガンマ線検出器は、開発目標である、高感度な天体硬X/ガンマ線の検出を可能にした。
【研究代表者】