K2K実験におけるニュートリノ振動の精密測定
【研究分野】素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
【研究キーワード】
ニュートリノ / ニュートリノ質量 / ニュートリノ振動 / 加速器 / フレーバー物理 / 測定器 / ニュートリノ反応 / フレーバー混合 / 素粒子 / フレーバー / パイ中間子 / ミューオン / 陽子 / シンチレーター
【研究成果の概要】
本研究では、加速器で生成したニュートリノビームを使って世界で初めてニュートリノ振動現象を確認した。1999年から2004年にかけて収集した92E18陽子/標的の全データを使い、スーパーカミオカンデで112加速器ニュートリノ事象を観測した。ニュートリノ振動無しの予測は158.4事象で、3σの優位度でニュートリノ振動によるミューオンニュートリノ消失を確認した。そして新たに設置した前置検出器、SciBarを使ってニュートリノ反応過程を詳細に研究し、ニュートリノエネルギースペクトルの精密測定を行なった。KEKでのニュートリノスペクトルと神岡でのスペクトルを比較し、ニュートリノ振動によるSKでのニュートリノのエネルギースペクトルの変化を確認した。ニュートリノ振動解析を行いニュートリノ振動無しの仮定を99.998%(4.3σ)で却下し、スーパーカミオカンデで発見されたニュートリノ振動を追試することに成功した。また同時に、ニュートリノ混合角sin^22θ=1.0で、ニュートリノ質量の二乗差を90%CLで(1.9〜3.5)×10^<-3>eV^2と世界最高レベルの精度で測定した。またこの結果には、我々がCERNで行なったハドロン生成測定実験(HARP実験)の最新結果も含めており、KEKから神岡へのニュートリノフラックスの外挿の精度を格段に向上させている。また、SciBar検出器では、ニュートリノによる荷電カレントコヒーレントπ生成反応が予想に反して格段に小さいことも発見した。最後にミューニュートリノから電子ニュートリノへの振動のシグナル、電子ニュートリノ出現事象を探索し、その感度を向上させsin^22θ_<μe><0.13@Δm^2=2.8×10^<-3>eV^2と上限値を設定した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
中家 剛 | 京都大学 | 大学院・理学研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
横山 将志 | 京都大学 | 大学院・理学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
小林 隆 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 | 素粒子原子核研究所 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2001 - 2005
【配分額】126,880千円 (直接経費: 97,600千円、間接経費: 29,280千円)