液体の中距離構造の定量観測に基づく水の特異性とガラス形成能の統一的理解
【研究分野】生物物理・化学物理
【研究キーワード】
物性実験 / 液体論 / 水 / 電解質水溶液 / ガラス転移 / エイジング / 熱測定 / 光散乱 / 水和 / 電解質溶液 / 蛍光観察
【研究成果の概要】
水は地球上で最も重要な物質のひとつであるが、結晶化の際の体積膨脹など特異な性質を示し、また、通常の冷却方法でガラス化させることは不可能とされている。ところが、塩添加や圧力印可により、水分子が形成する四面体型の局所安定構造が影響を受け、上記の特異性が消滅する傾向にある。このことから、こうした中距離構造が、水の特異性やガラス転移の起源にせまる鍵を握っていると考えられる。本研究では、ガラス転移におけるエイジング過程の研究を行い、そのキネティクスがスケーリング可能であることを実験的に見出した。エイジング過程でのエンタルピーの減少は系の秩序化を示唆しており、これにも中距離構造が関係していると考えられる。
【研究代表者】
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2011-08-24 - 2013-03-31
【配分額】3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)