感染症対策を目指したザンビア共和国の河川水中炭疽菌による拡散・感染モデルの構築
【研究分野】獣医学
【研究キーワード】
感染症 / 伝播経路 / 細菌感染 / 病原体 / 拡散モデル
【研究成果の概要】
ザンビア国内で発生している人獣共通感染症病原体の感染経路の解明を目的とし、河川水中の炭疽菌芽胞に着目し病原体の水系伝播の解明を試みた。炭疽アウトブレイクが繰り返し発生しているルアンガ川流域において河川水を採取し、本研究で開発した炭疽芽胞濃縮法により試料を調製した。PCR及び次世代シークエンサーを用いた解析から河川水中に炭疽菌が存在していることを示すとともに、同河川水での腸管系ウイルスの存在を明らかにした。加えて、採材地点の河川水深、水温、濁度、河川水流等の環境情報を取得し、河川水による病原体拡散モデルの構築を行った。
【研究の社会的意義】
環境耐性が高い芽胞を形成する細菌を用いた拡散モデルの構築は、長距離区間の拡散・到達率、及び疾病発生起点からの汚染レベルを解明する上で重要な情報となりえる。現在、日本国内において炭疽は沈静化を見せているが、土壌中の残存芽胞により再興感染症として流行すること、及びバイオテロリズムとして芽胞の散布・拡散に河川流水が利用される可能性は否定できない。本研究で得られた結果は、炭疽菌をはじめとした病原体の伝播拡散への対策を進めていく際の基礎データとなるものである。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
稲葉 愛美 | 東京大学 | 大学院新領域創成科学研究科 | 客員共同研究員 | (Kakenデータベース) |
愛知 正温 | 東京大学 | 大学院新領域創成科学研究科 | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】42,380千円 (直接経費: 32,600千円、間接経費: 9,780千円)