確率順位付け模型とウェブランキングへの応用
【研究分野】解析学基礎
【研究キーワード】
確率論 / 数理科学 / 確率過程論 / 大数の法則 / 流体力学極限 / 粒子系 / 確率順位付け模型 / 流体力学的極限
【研究成果の概要】
ウェブで見られるランキングの時間発展のモデルとなる確率順位付け模型の位置強度結合経験分布の大数の法則(流体力学極限)と軌道についてのカオスの伝搬の証明を,強度(先頭に跳ぶ確率を与える点過程を定める関数)が位置依存性を持つ場合に一般化した.この一般化は,極限を記述する点過程の強度が直前の到着時刻に依存する非独立増分であるなど,強度が位置依存性を持たない場合の非自明な摂動問題である.確率順位付け模型はネット書店の売上順位の時間変化のモデルで,ロングテール構造の数理解析の基礎模型となる.強度の位置依存性は好順位の注目効果を意味する.
【研究の社会的意義】
急速な発達によって時代を特徴付けるに至った計算機とネットワーク環境によって,インターネット小売業のような大規模なアイテムの人気度の全順位がリアルタイムで更新される現象が可視化されオンライン中古市場のように経済的な意味を持つ時代に,実際のデータと現象の対応する数学的な方程式を「細いがまっすぐな道でつなぐ」こと(末節をそぎ落とした論理的中核の抽出)に成功した.世界的に例のない独自の研究である.最終的に到達した強度の位置依存性効果は,ランキングデータ自体の宣伝効果を与えるもので,数学的に精密で非自明な結果であり,将来技術が追いついてきたときに前もって筋の良い理屈を用意できていることを意味する.
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2014-04-01 - 2019-03-31
【配分額】4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)