離散パターンに関する統計的推測の研究
【研究分野】数学一般(含確率論・統計数学)
【研究キーワード】
離散パターン / 離散分布論 / 有向グラフ / 確率母関数 / マルコフ連鎖 / システムの信頼性 / 二項分布 / 待ち時間問題 / 離散分布 / パターン / 連 / 工学的システム / 信頼性 / 経験分布関数
【研究成果の概要】
確率変数列やランダムな有向グラフなどの上に現れる連や離散パターンの待ち時間の確率分布を研究し,次のような結果を得た.
1.Directed treeの各頂点に対応する{0,1}-値確率変数の集合上に有向マルコフ分布を仮定し,directed treeの向きに沿った一定の長さの1の連の数の厳密分布を導出した.この分布からdirected tree上のconsecutive systemsの信頼度が容易に計算できる.また,このconsecutive systemsの各部品の寿命が独立に同一の分布に従うとき,システム全体の寿命の分布を理論的に導いた.
2.2変量の{0,1}-値マルコフ依存系列上において,第1成分と第2成分上で,それぞれ決まった長さの1の連を観測し,どちらか早い方が起こるまでの待ち時間の分布および両方の連が観測されるまでの待ち時間の分布を導いた.その結果,たとえば,線形のconnected-(r,s)-out-of-(r+1,n):Flattice systemという名前のconsecutive systemの信頼度を容易に求めることができる.当科学研究費によって購入した計算機とソフトウェアを利用して,3変量の場合の,対応する計算を行ない,良好な結果を得た.
3.多項型マルコフ連鎖埋め込み可能な確率ベクトルと帰還型マルコフ連鎖埋め込み可能な確率変数の概念を導入し,マルコフ連鎖埋め込み法を用いて,多値試行列上の連の同時分布を導出した.
4.オーダーkの二項分布型の分布について統一的なアプローチにより,それらの性質を調べた.それはkより小さい整数rに対して,r-overlapping countingという数え方を導入する方法により行なった.とくに,rが負の場合の考察は,この研究で初めて行なった.
5.オーダー(k,r)の二値系列という新しい依存系列のモデルを考察し,その系列の下で連に関する待ち時間問題を調べ,sooner and later waiting timesの分布を導出した.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
谷口 正信 | 大阪大学 | 大学院・基礎工学研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
稲垣 宣生 | 大阪大学 | 大学院・基礎工学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1999 - 2000
【配分額】1,800千円 (直接経費: 1,800千円)