距離空間における次元、距離及び計算可能性理論に関する研究
【研究分野】幾何学
【研究キーワード】
Topological dimension / Metric spaces / Transfinite dimension / Cohomological dimension / Formal balls / Manifolds / compactness degree / Domain / Dimension / Topological spaces / Continuous domain / Metric space / Locally compact / Topology / Formal ball / Cohomoloical dimension
【研究成果の概要】
服部は、V.Chatyrko(研究協力者)との共同研究において、可分距離空間における閉集合の和をとることによる,大コンパクト次数Cmpと大超限帰納的次元trIndの振る舞いについて考察した。Kをある位相空間のクラスとし、α,βをβ<αである順序数、XをdX=αであるKに属する空間とする。ここで、dは閉集合に対してmonotonicである次元関数とする。m(X,d,β,α)=min{k:Xがk-個の閉集合X1,…,Xk with d(Xk)≦βの和となる},mK(d,β,α)=min{m(X,d,β,α):X is in K}とし、MK(d,β,α)=sup{m(X,d,β,α):X is in K}とする。順序数αに対してα=λ(α)+n(α),ただし、λ(α)は極限順序数、n(α)は自然数と表す.順序数β<αに対して、p(β,α)=(n(α)+1)/(n(β)+1)とし、q(β,α)をp(β,α)より小さくない最小の自然数とおく.このとき、次が成り立つ:(1)Pを完備可分距離空間のクラスとし、α,βをβ<αなる自然数とするとき、mP(Cmp,β,α)=q(β,α)、MP(Cmp,β,α)=∞となる。(2)α、βが無限順序数でβ<αのとき,λ(β)=λ(α)ならば、mP(trInd,β,α)=q(β,α),MP(trInd,β,α)=∞であり、λ(β)≠λ(α)ならば、mP(trInd,β,α)とMP(trInd,β,α)は存在しない。また、コンパクト距離空間のクラスを法とする超限コンパクト次数trcmpについても考察し、距離空間のクラスにおいてはtrcmpの上限が存在しないことを示した。また、服部と立木は、距離空間(X,d)に対する形式的球体集合BX=X×R_+のドメイン構造と位相構造について考察し、次を得た:(1)(X,d)が全有界ならば、直積位相とLawson位相は一致する。(2)ヒルベルト空間lp(P>1)に対して、直積位相とLawson位相は一致する。(3)単位区間上の実連続関数空間、およびl1においては、直積位相とLawson位相は一致しない。横井は、W.Parryにより導入されたグラフ自己写像に対する推移性と強推移性について考察した。小山は、コホモロジー次元論に帰納的次元の考え方を導入し,可分ANR距離空間や有限次元距離空間において、コホモロジー次元との関連を調べた。また、前田と木村は微分幾何学的側面、そして、古用は微分方程式側面の研究を行った。
【研究代表者】