超臨界型非線形偏微分方程式の解の大域挙動
【研究分野】数学解析
【研究キーワード】
非圧縮性Navier-Stokes方程式 / 弱解 / 正則性 / Navier-Stokes方程式 / 非圧縮性粘性流体 / 偏微分方程式
【研究成果の概要】
前年度に引き続き,非圧縮性粘性流体の運動を記述する非圧縮性Navier-Stokes方程式の弱解の正則性について研究を行った.特に3次元全空間で定義された弱解のクラスの一つである局所エネルギー解(local energy solution)の正則性に関する研究をKyungkeun Kang氏(Yonsei大学)およびTai-Peng Tsai氏(British Columbia大学)と共同で行った.|x|の冪乗の重みを伴うL2空間に属する初期値に対する局所エネルギー解の正則性については,特定の指数の冪に対してCaffarelli-Kohn-Nirenberg(1982), D'Ancona-Luca(2016)や我々の前論文等によって研究が行われていたが,今回の結果では冪の指数に関する制限を外すことに成功し,初期値の原点での正則性が高いほど,局所エネルギー解が正則となる領域の評価が改良できることを示した.今回用いた手法を応用することで,局所的にp乗可積分(pは3以上)となるような初期値に対する局所エネルギー解の一様ノルムの時間正則化レートについても新しい知見を得ることができた.このような研究はJia-Sverak(2010)やBarker-Prange(2021)によって行われていたが,従来得られていた評価をある意味で改良するものとなっている.以上の結果の証明では初期値の正則性に適合するスケール変換に関して自然な局所エネルギーを導入し,その時間発展の評価を行うが,非局所性を伴う圧力項の制御が重要となる.
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2017-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)