組合せ半群論とその応用
【研究分野】代数学
【研究キーワード】
半群 / 融合 / アルゴリズム / ファイバー / ホモトピー / 書き換えシステム / 計算論理 / 岩沢変換 / レトラクト / 岩沢不変 / 群 / 融合問題 / 語の問題 / 自由融合積 / メンバーズシップ問題 / 不値環
【研究成果の概要】
(1)有限半群が融合基であるかどうかを判定するアルゴリズムの存在問題は未解決である。表現拡張性は半群が融合基であるための必要条件である。有限半群が表現拡張性を持つかどうかを判定するアルゴリズムの存在を示した。有限拡張性をもつ完全単純0-半群が融合基であることが知られている。表現拡張性をもつ正則半群が融合基であるかという問題に対して否定的な解答を与える有限正則半群を数式処理ソフトMathmaticaを使って構成した。さらに、有限半群が左絶対平坦性をもつかどうかを判定するアルゴリズムが存在する問題を解決し、論文を準備している。
(2)T. E. Tall, J. Okniski, M. S. Putch有限半群のクラスの融合基を決定する問題と取り組んだ。まず、有限半群に対して、すべての半群のクラスの融合基であると有限半群のクラスの融合基であることが同値であるかどうかを調べた。有限半群のクラスの融合基である有限半群は表現拡張性をもつことを示した。この結果を用いて、有限半群のクラスの融合基である有限帯の代数構造を完全に決定できた。J. Okiniski, M. S. Putchaは有限逆半群は有限半群のクラスの融合基であることを証明した。彼らの証明方法は半群環上の加群論を用いている。我々は半群の作用する集合の同型性に帰着させる方法で、有限逆半群は有限半群のクラスの融合基であることを証明した。これは群の場合のB. Neumannの方法の自然な拡張と考えることができる。
(3)自由λμ-calucus理論を適用し、任意なλ-モデルはλμ-モデルを生じることを示した。また、λμ-モデルは不動点作用とゲーデル-ゲンツエン変換を用いて構成できることを得た。
(4)ファイバー・ホモトピーを研究し、写像カテゴリーに双対ファイバ化を導入した。さらに、連続写像カテゴリーに絶対レクラクト、可縮性を研究した。
(5)奇素数に対して,極大実部分体が単に四つの素因子をもつconductorと任意に大きなp-階数をもつクラス群をもつ巡回的拡大体を岩沢理論を用いて構成した。
【研究代表者】