無限粒子系における相転移現象の確率解析
【研究キーワード】
確率微分方程式 / 確率模型 / 可積分確率 / ランダム行列 / 極限定理 / 無限粒子系 / 相転移 / 浸透モデル / 無限次元確率微分方程式 / 生物モデル / 相転移現象 / 浸透模型
【研究成果の概要】
本研究課題では、相互作用をもつ無限粒子系の確率方程式による表現とその一意性についての研究を行っている。(長田氏、河本氏、江崎氏との共同研究)当該研究期間中に、ブラウン無限粒子系に対応するディリクレ形式の一意性を示した論文、そして確率微分方程式の解の一意性の鍵となる条件((IFC条件)を満たすための十分条件を与えた論文がそれぞれ受理、出版された。さらに拡散型、飛躍型過程についての研究成果に加えて、相互作用にハードコアがある場合にも拡張できることを示した。
また、エルミート多項式の精密な評価を用いて、有限粒子系から無限粒子系の収束を示し、そのソフトエッジ型極限の方程式の形が決まることを厳密に導いた。その証明で鍵となる相関関数の評価は一様性と精密性が高い新しいもので、関連研究でも適用が期待できる。
多種類粒子系で、同種類のクラスターが大きくなると、さらに新しい同種の粒子が集まりやすいという相互作用をもつ確率モデルの解析を行っている。(Rahul Roy氏との共同研究)このモデルにおいては、粒子の死滅、生存だけではなく、生存の形態が多々あることを示した。1つは有限種類の粒子が生き残る場合、もう一つは無限種類の粒子が生き残るという場合である。さらに、無限種類の粒子の生存も局所的に集中する場合と広範囲に広がる場合があることも導いた。生存の形態のさらなる細かい分類も平均場近似により示唆することができた。つまり、複数の相転移現象が起きることを意味している。この結果は伝染確率モデルとして様々な応用に期待できる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
竹居 正登 | 横浜国立大学 | 大学院工学研究院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
今村 卓史 | 千葉大学 | 大学院理学研究院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2024-03-31
【配分額】14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)