関数方程式の総合的研究
【研究分野】解析学
【研究キーワード】
関数方程式 / 偏微分方程式 / 仮設検定 / 球関数 / 確率過程 / ディラック作用素 / 量子群
【研究成果の概要】
当該年度において、上記研究課題について数理物理学に表される各種の偏微分方程式に対して研究等で著るしい発展があった。まず、山田義雄は、熱対流方程式の外部領域における混合問題の大域解の存在性、一環性および漸近挙動について調べた。類似の問題は、従来ナビア-ストークス方程式等については知られていたが、熱対流方程式に関しては始めての結果であると思われる。(Tokyo J.Math,Vol15)さらに山田は、界面における化学反応方程式の漸近的挙動に対しても新しい結果を得ている。(Osaka J.Math Vol29)
また鈴木武は、統計的仮設検定問題において、ベイズリスクと統計的十分性の関係に注目して、ベイズ危険により漸近十分性を特徴ずけている(Statistics & Resisions Vol15)また、非エルゴード的確率過程モデルにおいて、最大確率推定量を定義し、その特質を論じている(Bull.Sui.& Eng.Lal.Waseda.Uniu)
さらに上野喜三雄は、非コンパクト量子群SU_q(I,1)の球関数に対するブランシェレルの公式をカシミール作用素に対応するq-差分作用素のスペクトル構造を調べることにより証明した。
郡は、S^4のディラック作用素に対する境界値問題を研究し、場の量子論への応用を試みた。以上の様に、特に数理物理学あるいは応用数学において表われる各種の関数方程式に対して、注目すべき成果が多く得られた。
【研究代表者】