相模湾環境保全へ向けての生物保護区制定のための学術的研究
【研究分野】環境保全
【研究キーワード】
相模湾 / 生物種データベース / 分子発生・生理・遺伝子科学的研究 / 海洋環境汚染調査 / 海洋物質循環 / 地域参加 / 相模湾生物ネットワーク / 生物保護区策定 / データベース / 三浦市連携 / 相模湾ネットワーク / 相模湾物質循環 / 環境汚染物質 / 生物保護区 / 相模湾全域 / Fauna Misakia / ボランティア / 標本データーベース / 書籍データーベース / 絶滅危惧種 / 学術貴重腫 / 海洋基礎生産量 / 網羅的生物調査 / ゲノム解析 / シャミセンガイ / ナメクジウオ / ヌタウナギ
【研究成果の概要】
研究代表者である森沢が地域の中枢である神奈川県との連携で培ってきた活動の延長線上に、以下に述べる学術的研究において飛躍的研究成果を上げた。1)相模湾において採集した生物について分類学上の種を同定し、個体数、サイズを記録し、標本として保存し、これら全てについてデータベース化と画像化を行った。2)相模湾における学術上の貴重種の探索、採集、生息場所の確定、これらの種の遺伝子の解析と保存についての基礎生物学的研究を行った。3)相模湾におけるホヤ、ナメクジウオ、ヌタウナギなど学術上重要種の発生学、生理学的研究を行った。4)相模湾海洋の基礎生産量の測定、海底表層部、海中及び堆積物の沈降粒子の測定、深海及び沿岸域のビデオ撮影映像に基づく相模湾海中、海底の視覚的把握により、相模湾での生物の生息環境を海洋学的立場から生物学的、化学的に把握した。5)船底塗料に含まれる有機スズや環境ホルモンによる相模湾生物の汚染実態を総合的調査により明らかにした。更に、市民組織である相模湾ネットワーク(SBnet)を創成し、多くの市民個人、市民団体の参画の元に採集活動、勉強会などを通じて学術的研究の環境問題における必要性、重要性の理解の元に本研究を発展させた。本研究の遂行により生物保護区が飛躍的に実現に近づいたと考えられる。今後は学術的研究を更に発展させるとともに市民ばかりでなく海浜施設、民間研究所、企業とも連携をとり、新しい総合的な研究分野「地域連携総合生物科学」を完成させる。これらの試みを将来日本全国へ広げ、さらには地球規模での活動につなげる必要があると考えられる。
【研究代表者】