材料表面構造が金属酸化物の抗ウイルス活性に与える影響に関する研究
【研究キーワード】
金属酸化物 / 抗ウイルス活性 / 光触媒材料 / モリブデン酸化物 / 表面構造 / 可視光応答型光触媒 / 針状ナノ構造
【研究成果の概要】
2年間にわたる新型コロナウイルスによるパンデミックは、世界中で経済や社会システムに影響を与えている。新型コロナウイルスに対する感染リスク低減には、接触感染やエアロゾル感染の経路をシャットダウンすることが重要であり、その一つの方法として、活性の高い持続性のある抗ウイルス材料をヒトが触る表面、たとえば、机やドアノブなどの生活空間で利用することである。これまでに、暗所でモリブデン酸化物であるMoO3やMoO2単独、並びにそれらモリブデン酸化物と酸化チタン光触媒を組み合わせた材料(Mo/TiO2)が可視光下で高い抗ウイルス活性をもつことを明らかにしてきた。その抗ウイルス活性は、JISやISOに従った評価方法で、バクテリオファージ、インフルエンザウイルスやノロウイルス代替のネコカリシウイルスを対象に活性評価を行ってきた。また、JISやISOの評価方法に比べ、より実環境に近い状態にあるエアロゾルウイルスに対しての抗ウイルス活性についても評価を行い、Mo/TiO2の可視光下で、材料表面に付着したエアロゾルウイルスに対しても、その活性を確認してきた。
今年度は、MoO3とMo/TiO2の新型コロナウイルスに対する対する抗ウイルス活性を調べるとともに、材料の表面積と抗ウイルス活性の関係、さらに、Mo/TiO2のMo量と抗ウイルス活性の関係について明らかにしようと試みた。
なお、Mo/TiO2材料の抗ウイルス活性に関して出願していた特許が、査定過程を経て、特許として認定された。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
中島 章 | 東京工業大学 | 物質理工学院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)