ポジティブ心理学による認知症患者の介護者の特性解明と新たな介入方法の効果検証
【研究キーワード】
ポジティブ心理学 / 介護研究 / 認知症 / 主観的幸福 / 介護者
【研究成果の概要】
介護者が認知症介護の多様な困難に対処できるように、介護の肯定的評価に注目するポジティブ心理学に着目し、介護への対処能力を引き出す方略が研究全体の計画である。1 介護者の主観的幸福感、強みに関連する要因を調査し、介護者のポジティブ心理特性を把握し、介護の肯定的尺度の日本語版標準化を作成する。具体的には外来通院中の認知症介護者の主観的幸福感をPGCモラールスケール、主観的幸福感尺度などで評価、強みをSUS評価などで評価する。他に、介護負担、介護者のコーピング、不眠・うつ、ソーシャルサポート、人間関係、患者の精神症状も評価し、介護度や社会資源利用状況なども測定する。2介護者へのポジティブ心理学介入のプログラム作成と介護カウンセリングにポジティブ心理学介入を統合した方法の効果研究を行う。具体的には主観的幸福感を構成する5要素である ポジティブ感情、エンゲージメント、ポジティブな関係性、意味・意義、達成感にもとづき介入方法を検討し、介護の意味・生きがいを考える訓練をする。また、介護者のコーピングタイプも同定し、否定的コーピングが多い場合には、適切な対処パターンがとれるようにフィードバックし、認知行動療法も行い、介護者の自責感を軽減し、認知の歪みを修正し、不眠とうつの改善を目指す。統合的なプログラムのオープントライアルをおこない検証する。
患者と介護者をリクルートできる体制を構築し、介護者のポジティブ心理特性を把握できるような質問紙のデータ構築を行っている。また関連病院でオープントライアルを実施開始した。レビー小体型認知症の介護者とアルツハイマー型認知症の介護者の介護者の自己効力感、コーピングと批判的感情を比較検討し、学会及び論文として発表した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
仲秋 秀太郎 | 名古屋市立大学 | 医薬学総合研究院(医学) | 研究員 | (Kakenデータベース) |
成本 迅 | 京都府立医科大学 | 医学(系)研究科(研究院) | 教授 | (Kakenデータベース) |
三村 將 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)