「ソーシャルメディア型」の世論形成と情動現象の総合的研究
【研究キーワード】
オリンピック / 世論 / 福島原発事故報道 / ソーシャルメディア / 情動研究 / コロナ感染 / アスリート / 福島復興 / SNS分析 / 福島 / 原発事故 / 復興 / オリンピック研究
【研究成果の概要】
2020年4月から2021年3月まで4回、2021年4月から2022年3月まで5回全体研究会を開催した。2020年の3月にオリンピック開催が延期され、研究計画を抜本的に見直して研究を進めたが、コロナ感染の拡大により2021年度に繰り越した研究課題は、第1にオリンピック開催に関する市民の意識調査を実施すること。第2は、感染拡大によって「開催」「中止」が争点となるなか、マスメディアを中心にアスリートの発言が注目されるようになっており、TVにおけるアスリートの登場と彼らの発言が市民意識にどのような効果を及ぼしているか、継続的に調査すること。第3に、延期によって実際にアスリートの不安や焦りが高まっており、その実態を調査することで、アスリートのメディア表象との乖離ないしズレを検証すること、第4は、SNS特にTwitter上におけるオリンピック関連の市民の発言を検証することである。
第1については、6月にサンプル数1000票でネット調査を実施した。第2については、4月から7月の期間のオリンピック関連番組で「アスリート紹介」がもっとも多く、コロナ禍に中でも「開催」への期待を醸成する機能をはたした。第3に関しては、研究協力者の清水諭が中心となり、オリンピアン3名について聞き取り調査を行い、JOCからのサポートも無く、練習会場も無く、心理的に大きな不安を抱きながら練習している実態が明らかとなった。第4のネットニュースの接触の実態調査、Yahoo!ニュースコメント欄の分析、森大会組織委員長の「女性蔑視発言」に対するネット上の発言分析、「なでしこ」に対するTwitter上でのバッシング言説の分析等、オリンピックに関連する個々の事例に焦点を当てて分析検討を行った。これらのアプローチを通してメディア生態系の特徴を検証できたと考えている。
【研究代表者】