大気微小粒子の環境動態解析のための有機・無機化合物の多成分高感度迅速分析法の開発
【研究分野】環境動態解析
【研究キーワード】
環境質定量化・予測 / 環境分析 / 大気汚染防止・浄化 / 地球化学 / 有害化学物質 / 大気微小粒子 / 多環芳香族炭化水素類 / エアロゾル
【研究成果の概要】
本研究では、大気微小粒子中の有機化合物および微量金属の多成分高感度同時迅速分析法の開発を行うことを目的とする。本年度は高速溶媒抽出/自動化カラムクロマトグラフィー/HPLC/蛍光検出法による大気微小粒子中多環芳香族炭化水素類(PAHs)の多成分高感度迅速分析法の開発を行った。
PAHsの抽出時間短縮・効率化を図るため、高速ソックスレー法の検討を行った。具体的には溶媒抽出部の温度を可変とし、従来は室温だったものを、本研究では約140℃まで加熱し抽出を行った。その結果、公定法と同等の抽出効率(約70-90%)が得られる抽出時間を合計80分まで短縮することに成功した。これにより、公定法であるソックスレー法と比較して抽出時間を約1/6に短縮することができた。
次に、定量ポンプや電磁弁とステンレス/テフロン管を組み合わせ定量溶媒滴下ラインの試作を行った。そして、ラインの滴下速度や滴下量等の諸条件の検討を行った。この検討結果を基に、自動化カラムクロマトグラフィー装置を製作した。その結果、従来では手作業により約120〜180分間つきっきりで溶媒の滴下や溶出液受容器の交換を行っていたものが、8検体まで操作を自動化(所用時間約60分間)することに成功した。これにより、今後は大気微小粒子中PAHs分析を行う際の作業効率が飛躍的に向上することが期待できる。さらに、本研究により製作した自動化カラムクロマトグラフィー装置に関する産業財産権の出願を予定している。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2006 - 2007
【配分額】3,500千円 (直接経費: 3,500千円)