独自型サイクロン装置によるインドと中国のエアロゾルの大量捕集とその生体有害性評価
【研究分野】環境動態解析
【研究キーワード】
エアロゾル / サイクロン / 有害性評価 / 環境分析 / 大気汚染防止・浄化 / 環境質定量化・予測 / PM2.5 / 酸化能 / 粒子状物質 / 生物由来物質
【研究成果の概要】
本研究では、申請者が独自に開発したサイクロン式大気粒子状物質大量採取装置を、インド国立物理学研究所(ニューデリー)、西安交通大学(西安)、および横浜に設置し、得られた粒子の分析を行った。期間中に得られた粒子状物質試料数は、インド28、中国8、日本23であった。生体有害性評価の観点から、粒子中の細菌由来毒素であるエンドトキシン(Lipopolysaccharide, LPS)含有量を調べた。その結果、インド11±11 (n=23)、中国28±22 (n=8)、日本23±27 (n=22)(算術平均値±標準偏差、単位EU/mg)となり、3都市で大きな違いはなく、また季節的な変動も見られなかった。
【研究の社会的意義】
近い将来、人間の早期死亡をもたらす最大の環境要因は大気汚染、特に粒子状物質が最も深刻となることが予測されている。本研究の遂行により、東アジアの複数地点において、フィルターを用いずに粉体として大気粒子状物質を得る体制を構築することができた。さらに、得られた粒子状物質の化学成分と生物由来成分の特徴を明らかにした。今後、得られた粒子を用いて細胞・動物への曝露実験を行うことが可能となった。本研究の成果は、人間の生活の質に直結する呼吸器系や免疫系に対する粒子状物質のリスクの解明に係る研究に資することができる。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)