海水中ナノプラスチックの限外濾過法による捕集と化学的手法による同定・特徴づけ
【研究キーワード】
プラスチック汚染 / ナノプラスチック / マイクロプラスチック / 限外ろ過 / 熱分解GC-MS / 溶媒抽出 / ゲルクロマトグラフィー / ポリスチレン / 海洋プラスチック汚染 / コロイド / 限外濾過 / 放射性炭素同位体比
【研究成果の概要】
検討の結果確立した測定法を以下に示す。海水をステンレス製容器に採水し、加圧型ステンレス製大型ろ過器を用いガラス繊維ろ紙GF/F(平均保持粒子径0.7um)でろ過し、ろ液(700 nm以下)100Lを得た。ろ液を中空糸膜(APH-1013D公称分画分子量50000)での限外ろ過、凍結乾燥により、100mL程度に濃縮した。過酸化水素による酸化分解、水酸化カリウム溶液による加水分解で有機物を除去し、ヨウ化ナトリウム飽和溶液とヘキサンで分配し、ナノプラスチックをヘキサン相に抽出・分配した。ヘキサン相はゲルクロマトグラフィーで精製し、熱分解GC-MSに注入し、ポリスチレンとポリエチレンの測定を行った。
【研究の社会的意義】
ナノプラスチックの計測法を開発して、今後の実試料での測定の可能性を示した。東京湾の海水100Lを分析した場合、ナノポリスチレンのピークは観測されたが、ブランクに対して有意ではなく、ナノポリスチレンが存在したとしても濃度は0.4 ng/L以下ということが推察された。今後の環境試料での実測を進める上で意義がある成果と考えられる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
小川 浩史 | 東京大学 | 大気海洋研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2019-06-28 - 2021-03-31
【配分額】6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)