実環境大気エアロゾルの帯電状態が生体および地表面への粒子沈着へ及ぼす影響評価
【研究キーワード】
エアロゾル / 帯電状態 / 沈着 / 生体影響 / シミュレーション / 帯電粒子 / 呼吸器 / 地表面 / フィールド調査
【研究成果の概要】
室内実験としては、微分型電気移動度分級器(DMA)と凝縮粒子カウンター(CPC)を用いて、導入粒子の帯電状態とその沈着現象との関係を調べた。主流方向長さ100 mm、断面積75 mm x×75 mmの矩形容器内に粒子を導入し、Am-241中和器通過の有無を切り替えることで粒子群の帯電状態を変化させ、下流側でDMAおよびCPCを用いて粒子数を計測した。その結果、壁面の帯電状態が沈着現象に対して支配的であることが示された(奥田)。
シミュレーションとしては、前年度に開発した直接数値シミュレーションとラグランジュ粒子追跡法に基づく微小粒子を含む三次元非定常流の流動解析コードを用いて、上述の矩形容器内の微小粒子の流動解析を行い、壁面への粒子の沈着挙動を調査した。これにより流入流量の増加あるいは粒子径の減少によって沈着速度も増加するという、対応する実験と定性的に一致する結果が得られたが、極めて高流量(1.0 L/min)の場合には直径0.01μmの微小粒子であっても沈着せずに流出することが分かった(深潟)。
領域気象化学モデルNHM-Chemにより計算された福島原発事故由来の放射性粗大粒子(Cs-bearing microparticles; CsMP)の沈着量の大幅な過小評価の改善のために、放射性壊変による自己帯電効果(Depee et al., 2019)を考慮できるbelow-cloud scavenging過程のモデル化を行った(梶野)。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
梶野 瑞王 | 気象庁気象研究所 | 全球大気海洋研究部 | 主任研究官 | (Kakenデータベース) |
深潟 康二 | 慶應義塾大学 | 理工学部(矢上) | 教授 | (Kakenデータベース) |
岩田 歩 | 慶應義塾大学 | 理工学部(矢上) | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】45,370千円 (直接経費: 34,900千円、間接経費: 10,470千円)