光化学オキシダント感度レジーム指標に対する大気質モデルの妥当性評価
【研究キーワード】
オゾン / 感度レジーム / NOy / 過酸化物 / 関東 / 光化学オキシダント / 総反応性窒素酸化物 / 関東地域 / 数値シミュレーション
【研究成果の概要】
本研究では,Ox感度レジームの指標を実際に測定し,その再現計算を通じてOx感度レジームの指標に対するモデルの妥当性を評価する。以下,観測とモデルに分けて,概要を記述する。
まず観測に関しては,予算規模に合わせて観測計画の再検討を行い,観測地点を新宿と加須の2地点に集約することにした。このうち加須地点では雲底計を設置し,予備観測を開始した。
窒素酸化物の測定では,帝京科学大において,所有するNOx計を改造し1台でNOxとNOyの濃度を計測できるようにした。観測地点の集約により1地点に2台のNOy計を割り当てることが可能になったことから,ガス態と粒子態に分けて測定する計画に変更した。
過酸化物の測定では,これも当初の計画を変更して,富山県立大より液体クロマトグラフィー(HPLC)を新宿地点(早稲田大)に移設し,サンプリング終了と同時に分析する体制を整えた。また,必要な採取器具を揃え,実際に採取から分析までを試行して,滞りなく実施できることを確認した。
モデルに関しては,早稲田大の計算サーバに計算環境を整え,数値気象モデルWRF,大気質モデルCMAQ,同CAMx,およびそれらの入力となる気象および排出量のデータなどを導入した。既往の比較計算プロジェクト(通称,J-STREAM)の結果と同じ条件で計算を実行し,そられと同等の精度で計算結果が得られることを確認した。そのうえで,既計画の2015年7月に加えて2018年8月の事例を対象に高濃度オキシダントの再現計算を行い,感度レジームの指標を抽出した。
【研究代表者】