持続可能なWater Security政策を支援する統合的水資源評価モデルの開発
【研究分野】環境影響評価・環境政策
【研究キーワード】
メコン川 / 地理空間情報 / 水資源管理 / 国際河川 / 気候変動 / 空間情報 / 国際情報交換 / ジオデータベース
【研究成果の概要】
平成21年度の研究計画に従い、東京大学・目黒公郎教授および国際連合大学・Dr.Herathと連携を取り図ながら、統合的評価モデルの開発を進めた。本年度の研究成果を以下に示す。
・GIS(地理情報ステム)を用いた空間解析と将来シミュレーションによって、今後の越境水域における水資源適応策のための科学的枠組みを提示した。
具体的には、気候変動シナリオや流域国家間の協力体制の違いによる水資源への影響を「定量的」に比較することで、越境河川流域の水資源管理策における「集水域」アプローチと「国境・行政界」アプローチの、各々の有効性を分析した。これは集水域などの自然的境界線と行政界などの人為的境界線の比較、また同じ自然的境界を利用する場合でも、流域全体を用いる場合とその支流域を用いる場合とではどちらが適切なのか?といった具合に、様々な空間規模における各アプローチの評価結果をもとに、最適なアプローチ手法を検討した。これにより、政策策定に利用する最適な境界線(boundary)の種類について、当該問題に携わる政策関係者と議論を重ねることで、科学的理想境界線を踏まえつつも現実的かつ良好な境界線を提案することを目的とする。
・本研究の3年間の総括として、2010年2月に、International workshop on"Climate Change Response for Asia International Rivers : Opportunities and Challenges"を開催した(主催・国例連合大学)。本ワークショップでは、メコン川流域5カ国、および流域開発および研究に関わる約20名の専門家を招聘し、本研究成果に関するフィードバックを得るとともに、今後のメコン川流域のWater Security政策に関する研究課題を議論し、今後も各国専門家と連携しながら、本研究課題を発展させることを確認した。
【研究種目】特別研究員奨励費
【研究期間】2007 - 2009
【配分額】3,300千円 (直接経費: 3,300千円)