リージョナル・コモンズの研究―地域秩序形成の東アジア=ヨーロッパ比較―
【研究分野】国際関係論
【研究キーワード】
地域秩序 / 東アジア / ヨーロッパ / 比較 / 安全保障 / 経済統合 / 歴史認識 / コモンズ / 歴史和解 / 地域 / 秩序 / 和解 / リベラル / 国際秩序
【研究成果の概要】
本研究では、東アジアと欧州の地域秩序形成を比較検討した。歴史・現状・理論の三面から「地域コモンズ」の形成に向け、学問的なアウトプットと広く社会への提言を目指した。
コロナ禍で最終局面の研究が停滞したが、メンバーによる図書、論考、発表などの無数の具体的な研究成果が生まれた。とりわけ、地域コモンズ形成上の基盤とも障害ともなる主権についての編著、ナショナリズムについての図書、そして和解に関する論考を公刊することができた。地域コモンズの形成には、安全保障、機能的協力、市民和解の複合ポリティクスの円滑な運営が必要となる。その理論・政策的な基礎を積み上げることができたと考えている。
【研究の社会的意義】
ウクライナ侵攻後の欧州でも米中対立の最前線である東アジアでも、地域秩序形成は難しい。しかし、それなくば平和も繁栄も手にできない。そこで、「地域コモンズ」と鍵概念として、その形成・摩耗を比較検討した。
国家主権やナショナリズム、歴史和解は、地域形成の基盤/障害であるが、そのあり方を歴史・理論的に考察し、無数の公刊物につなげた。概して、安全保障枠組、帰納的協力の、歴史和解をセットで進めるときに、理想的な形で地域コモンズ形成に向かうことができる。本研究は、その三つの複合ポリティクスを読み解き、その円滑な運営を現実のものとするための理論・政策的な前提となる学問的な基礎作業を積み上げることができた。
【研究代表者】