グローバル・プロジェクトの比較研究-グローバル資本の政治経済とグローバル文化-
【研究分野】広領域
【研究キーワード】
グローバリゼーション / 多国籍企業 / メディア / 総力戦体制 / 越境空間 / ポストコロニアル / 移民 / 多文化主義 / グローバル・カルチャー / 総動員体制 / 冷戦体制 / シチズンシップ / ジェンダー / 移動 / グローバル・スタディーズ / ジャパナイゼーション / アメリカ例外論 / レイシズム / 近代
【研究成果の概要】
本研究プロジェクトの目的は、グローバルな越境空間を作り出す装置や機構を、グローバリゼーションのポリティカル・エコノミー研究とグローバル・メディアや文化の生産と消費に関わる研究との接点を明らかにすることにあった。グローバリゼーションをキーワードとする問題領域は多義的であり、プロジェクトでは、政治学、経済学、社会学など他分野の参加者を得て、海外からの研究者を含めたワークショップや国内での研究会を各年度に開催した。これらを通して、プロジェクトは、国内の諸領域の研究者との交流を拡大するとともに、海外研究者とのネットワークを構築し、情報の交換につとめた。3年間のプロジェクトを通じて、「グローバリゼーション・スタディーズ」という新しい研究領域の立ち上げを企図するとともに、近代における社会科学や人文科学の知の枠組みの再検討を試みてきた。これらは、均衡、定住、合理性、平和、人権、市民権あるいは監視、強制、暴力といった近代の基礎的な概念構成の転換を模索したものである。プロジェクトの研究成果は、伊豫谷登士翁『グローバリゼーションとは何か』(平凡社)、同編『グローバリゼーション』(作品社)、さらに「グローバリゼーション・スタディーズ」(平凡社)として公刊することになり、すでに第1巻として、山之内靖・酒井直樹編『総力戦体制からグローバリゼーションへ』(平凡社)を出版し、引き続き、伊豫谷登士翁・姜 尚中編『グローバリゼーションの政治経済』(仮題)、吉見俊哉・テッサモーリス-スズキ編『グローバルカルチャーの生産と消費』(仮題)として出版することになっている。プロジェクトは、今後、越境空間の具体化に取り組むことになっている。
【研究代表者】