日米欧の技術・経済の内生化プロセスの比較分析
【研究分野】広領域
【研究キーワード】
技術経済 / 技術経営戦略 / 進化経済学 / 経済発展 / 政府開発投資 / 最適戦略 / システム分析 / 進化経済論 / 研究開発投資
【研究成果の概要】
本研究は、以下の認識に立ち、計画されたものである。
(1)1996年来の国際共同研究等の結果、技術革新の経済発展への貢献は、その内生化プロセスが決定的役割を果たし、各国それぞれの社会経済システムとあわせて制度・体制、地政的側面がポイントとなることを明確に認識し、1990年代初頭来の日米逆転やニューエコノミー論の台頭によって、これにさらなる確証を得た。
(2)従って、以上の共同研究を通じて構築した学際的補完関係をさらに発展させ、世界的に焦眉の課題となっている技術革新効果を極大化させうる内生化プロセスの体系化が喫緊の地球大の課題である。
本研究は以上のねらいを全うすることを目的に、本課題のような地球大の課題を応用システム分析の手法を軸に分析することを使命とする国際応用システム分析研究所(在ウィーン)との国際学術研究を行ったものである。
本研究の核心は以下の通りである。
(1)バブル経済の崩壊と軌を一にして、日本の誇る技術と経済の好循環構造の破綻が懸念。高齢化の趨勢は情報化等の効果を減殺し、全般的生産性の低下を憂慮。
(2)このような中で情報・通信技術等の広範なスピルオーバー、技術の資本への効率的体化、技術・資本による労働代替等に裏打ちされた米国のニューエコノミーが奏功。
(3)米国の日本より低位の研究開発投資等に照らして、技術革新の経済への内生化プロセスが改めて注目。
(4)米国ニューエコノミーのかげりが世界経済全体の景気低迷を長期化させかねない情勢に照らせば、技術革新効果を極大化させうる内生化プロセスの体系化は焦眉の世界的課題。
(5)その本質は、IT本来の社会経済体質との相互作用の過程を通じて機能を自己増殖的にスパイラルに拡大するITの性格形成メカニズムに内在。
【研究代表者】