フェライトをバイオ・リガンドに固定した診断・治療用・磁性プローブ
【研究分野】広領域
【研究キーワード】
医用磁性ビーズ / フェライト超微粒子 / IGG抗体 / 抗ガン剤 / ハイパーサーミア / 磁性バイオプローブ / 抗体 / 抗原 / 蛍光磁性プローブ / マグネタイト / バイオ・リガンド / バイオ高分子 / スピネル型 / BSA / CMC / 生体高分子 / 磁気分離
【研究成果の概要】
1.新しい医用フェライトナノビーズの開発
フェライト(Fe_3O_<4+δ>)超微粒子(粒径10〜15nm)を水溶液中で合成する過程で、その表面に生理活性物質を固定する手法を確立した。トリプシン、抗ガン剤FITCアビジン、グリシジルメタアクリレート(GMA)、アスパラギン酸等のアミノ酸およびその類似分子、ポリアクリルアミノ酸等の親水性高分子などを表面に強固に固定された医用磁性ビーズを開発した。
2.フェライト表面における結合の解明とCBMナノビーズの提案
上述のフェライトナノビーズでは、アミノ酸またはそれらと類似した構造をもつ分子のS-H基もしくはCOOH基を介して、生理活性分子がフェライトに強く結合していることを明らかにした。このようなアミノ酸(類似構造分子)をコネクターと呼ぶことにした。またコネクターを介して生理活性分子が表面に固定された医用・磁性ナノビーズをCBM(Connecter-Bonded Magnetic)ナノビーズと命名した。さらに我々は、表面に(1)コネクターおよび、(2)生理活性分子に対する非特異的吸着の少ないポリマーを固定したCBMナノビーズをも開発した。その表面に生理活性分子を生化学的手法で容易に固定できる。
3.ヒト型抗体の作製と磁性バイオプローブの作製
遺伝子組み換えマウス型モノクロナール抗体のプラスミドに対して、定常領域をヒト型となるよう遺伝子工学によって入れ替えたヒト型抗体を作製した。このIGG抗体を磁性ナノビーズに固定し、これが、大腸ガン細胞膜抗原と結合することを蛍光標識抗体を用いて可視化して確認することができた。従って、このナノビーズのガン診断用診磁性バイオプローブとしての有用性が示された。
4.ハイパーサーミア用フェライトナノビーズの発熱殺傷
本研究で作製したフェライトナノビーズは、従来法で作製されたビーズに比べ、交流磁界による発熱効果が1.4倍高く、ハイパーサーミアへの応用上有利であることがされた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
日比 紀文 | 慶應義塾大学 | 医学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
半田 宏 | 東京工業大学 | フロンティア創造共同研究センター | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2000 - 2002
【配分額】32,100千円 (直接経費: 27,900千円、間接経費: 4,200千円)