変容する戦後東アジアの時空間 -戦後/冷戦後の文化と社会
【研究分野】地域研究
【研究キーワード】
戦後東アジア / 植民地主義 / 占領 / 復興 / 植民地支配責任 / セクシュアリティ / 沖縄 / ディアスポラ / 日常支配 / 和解 / 戦後思想 / 基地問題 / 過去事清算 / 性暴力 / 朝鮮戦争 / ジェンダー / 引揚げ / 帰還 / 在日朝鮮人
【研究成果の概要】
本共同研究は、東アジアにおける「第二次世界大戦後」と「冷戦後」という二つの「戦後」を時代的に対比させて、その社会状況と文化状況の連続と変容の諸相を解明することに焦点をあてたプロジェクトであった。とりわけ、この地域において多様に交錯する異なった時間と空間の編成に注目した。
2003年度は、「朝鮮戦争という<経験>」を主題とするシンポジウムと、「東アジアの戦後を問う--植民地主義の再編と継続する暴力」を主題とするシンホジウムの開催に力を注いだ。前者においては、戦後東アジアの構造を規定した朝鮮戦争という<経験>を特に人の移動という観点から集中的に討議した。後者では、「植民地主義の継続とジェンダー」を軸に討議した。
2004年度は、植民地主義と沖縄をめぐる連続ワークショップをおこなうと同時に、「東アジアの「占領」と「復興」を問う--暴力の継続と変成」を主題とするシンポジウムを開催した。ここでは、占領と復興を切り離すのではなく重層的に折り重なるものとして理解すべきことが確認された。
2005年度は、大韓民国の研究者との連携による、過去事清算ワークショップの開催に力を注ぎ、「継続する東アジアの戦争と戦後-沖縄戦・済州島4・3事件・朝鮮戦争」を主題とするシンポジウムを開催した。沖縄からも研究者・研究協力者を招聰し、討議を行なった。その後、民間人虐殺、米軍基地などを巡るスタディー・ツアーを行なった。
2006年度は、「植民地主義とディアスポラになった朝鮮人女性たち-コリアン・ディアスポラ・ウィメンズ・スタディズでの出会い」を主題とする国際シンポジウムを開催した。その後、総括会議で、本共同研究の意義と成果、今後の課題を確認した。
【研究代表者】