材料情報分野におけるインターオペラビリティの検討
【研究分野】広領域
【研究キーワード】
材料データベース / 材料データシステム / XML / インターオペラビリティ / 分散データベース / オントロジー / メタデータ / 材料設計 / 材料情報 / 数値シミュレーション / 照射損傷
【研究成果の概要】
国内外の代表的な材料データベースについて調査を行い、材料分類、特性分類、応用分野別分類を行い、材料データベース閲覧のためのホームページを作成した。個々のデータモデルについては、ASTM、NIST、日本材料学会等のデータベースのデータモデルについてのXMLによる記述を検討し、より専門的かつ本格的なデータベースであるLPF(Linus Pauling File)についてのデータモデルとの比較結果を加えて、材料設計、材料開発のための材料データモデルの検討を行った。
(1)検討に当たっては、以下の4つの視点を導入した。すなわち、同位体比、電子構造、分子構造、結晶構造、ミクロ組織、欠陥構造、非均質性、マクロ組織、形状といった材料の構造的な階層性、(2)物性理論、熱統計力学、構造力学、品質管理等の理論モデル、原データ、(データログ、議事メモ他)、加工データ(評価、標準、規格)、情報知識に至るデータ・情報の加工、(3)機械、建物、原子炉、コンピュータ等々、使用環境、応用分野、(4)数値、テキスト、図、写真、動画、プログラムと情報表現の違いを反映した情報モデルである。
(1)にかんしてはマルチスケールモデリング、(2)に関してはマルチプリンシプルモデリングとして近年の成果を組み込み、(3)に関しては原子炉材料を基軸にした整理を行った。(4)に関しては情報、圧縮技術、知的所有権管理技術に関する最近の研究動向の調整を行い、インターオペラビリティとは逆の方向の動きについての検討を行った。材料情報のナイーブな取扱いは、その複雑な挙動の簡略かつ代表的な断面を静的に把え、関係モデルで表現する方法であるが、より適切な材料活用を達成するためには、その本性に迫るデータ表現が求められるため、表現能力の高いデータモデルの導入が必要であることを指摘し、その延長に人工物を介した学問領域の融合があることを議論して、報告書としてまとめた。
【研究代表者】